国宝 仁科神明宮・神社の分社ってネットのリンクみたいだと思ったって話
大町市の国宝・仁科神明宮を訪ねました。
仁科神明宮は、平安時代の終わりごろ、伊勢神宮領仁科御厨(伊勢神宮の庄園)を守るために、この地方の支配者だった仁科氏により祭られ、以降、1000年以上にわたり20年に1度の遷宮を行ってきている、とても古く歴史のあるお宮です。もちろん、祭神は天照大御神です。それほど大きなお宮ではないんですが、杉やヒノキの大木が生い茂り、なかなか雰囲気があります。その社叢も県の天然記念物に指定されています。
ま、仁科神明宮の説明は、あちらこちらで、詳しくされているので、興味のある方は検索してもらえればと思います。ということで、とりあえずは、写真を。(^^;
- The easy explanation in English
- Nishina Shinmei Shrine
National assets shrine with history in more than 1000.
Omachi city Nagano prefecture.
国宝・仁科神明宮 参道
本殿前
日本最古の神明造を持つ仁科神明宮
境内の杉の大木
そして、それほど広くない境内にもかかわらず、下の写真のようにズラッと境内社(末社)が並んでいます。
ざっと回って見ただけでも、以下のような20社もの分社がありました。
社名 | 祭神 | 鎮座地 |
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疱瘡社 | 須佐男命(すさのおのみこと) 天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟神であり、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の親神 |
八坂神社 京都市東山区祇園町 |
難湖社 | 金山彦命(かなやまひこのみこと) イザナミのミコトが迦具士の神を産んで火傷し病み臥せる時、排泄物から生まれた神。防火に霊験あると言われる。 |
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都波岐社 | 猿田彦命(さるたひこのみこと) 天孫降臨時に道先案内を勤めた神。天宇受女命(あめのうずめのみこと)の夫と言われている。伊勢の海で比良夫貝(ひらぶかい)に手を挟まれて溺れた神様。 |
伊勢の国一の宮 椿大神社 三重県鈴鹿市 |
北野社 | 野見宿弥命(のみのすくねのみこと) 第十一代、垂仁天皇の時、たいまのけはやと相撲を取り、勝った日本相撲の元祖。菅原氏の祖先と言われている。 |
北野天満宮 京都市上京区 |
三島社 | 大山衹命(おおやまつみのみこと) 通称、山の神と言われている。邇邇芸命(ににぎのみこと)と結婚し、山幸彦を生んだ木花咲耶姫(このはなさくやひめ)の親神。 |
三嶋大社 静岡県三島市大宮町 |
春日社 | 天児屋根命(あめのこやねのみこと) 中臣の連等の祖神。天照大神(あまてらすおおみかみ)の孫、邇邇芸命(ににぎのみこと)が天から降りる時付き添った五部族の一人、五伴緒と伝われている。 |
春日大社 奈良県奈良市春日町 |
鹿島社 | 武甕槌大神(たけみかづちおおかみ) 護国の神。イザナギ、イザナミの両神から生まれた火の神、カグツチより誕生。神武天皇がこの大神の降ろされたふつの剣で国納めに成功する。 |
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白山社 | 菊理姫命(くくりひめのみこと) 加賀の国の白山を御神体とする女神。黄泉平坂(ももつひらさか)で、イザナギ、イザナミの言い争いを調停した神。もろもろの結びの神。一説には山の神とも言われている。 |
白山比咩神社 石川県石川郡 |
熊野社 | 伊耶那美命(いざなみのみこと) 天地創造神。伊耶那岐命の奥方。火の神カグツチを生んで焼死し、熊野の山に埋葬される。 |
熊野那智大社 和歌山県東牟婁郡那智勝浦 |
武山社 | 大地主神。 仁科濫觴記(にしならんしょうき)に依ると、武内山雄と言われ、穂高身命 下加茂社の祭神、武角身命の娘と共に、仁品王の両翼の臣下とされている。土の神。 |
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簀社(すのこしゃ) | 穂高見命(ほかかみのみこと) 海神、綿津見命(わたつみのみこと)の児。 宇都志日金折命(うつしひがねくさのみこと)とも言われ、玉依姫命(たまよりひめのみこと)とは姉弟に当る。穂高神社の祭神。 |
穂高神社 安曇野市穂高 |
子安社 | 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと) 山の神、大山衹命(おおやまつみのみこと)の娘で、天孫 邇邇芸命(てんそん ににぎのみこと)の奥方、山幸彦を生む。美人、安産、子育ての女神。浅間神社の祭神。 |
浅間神社 静岡県御殿場市 |
九頭竜社 | 地主命(じぬしのみこと) 九頭竜神(くずりゅうしん)は、水の神として古くから修験道、山岳信仰との関連が深い。仁科濫觴記(にしならんしょうき)によると、、仁品王の臣下、九頭竜を祭ったと言われている。 |
戸隠神社 長野市戸隠 |
下諏訪社 | 事代主命 大国主命の児、出雲の国、伊那佐(いなさ)の小浜で建御雷男(たけみかずちのお)の神に言いくるめられ、あっさり国譲りを承知した神。釣りの神様。七福神の一人(えびす様)。福徳の神。 |
諏訪大社下社 諏訪郡下諏訪町 |
上諏訪社 | 建南方富命(たけみなかたとみのみこと) 大国主命の児。天照大神の使わされた建御雷の男(たけみかずちのお)神と力比べで負け、諏訪の国へ引き籠つと古事記に書かれている神。武徳の神。 |
諏訪大社上社 諏訪市中洲 |
下加茂社 | 加茂武角身命(かもたけつのみのみこと) 加茂武角身命と娘の玉依姫命角身命(たまよりひめのみことたけつのみ)は、八タ烏(やたからす)とも言われ、神武天皇の東征時、熊野から大和へ先導した神。導きの神として、交通・旅行の安全にご利益あり。 |
賀茂御祖先神社(通称)下鴨神社 京都市左京区 |
上加茂社 | 加茂別雷命(かもわけいかずちのみこと) 下加茂社の祭神、武角身命の娘、玉依姫命(たまよりひめ)が加茂川で丹塗矢(たぬりや)を拾って置いたところ妊娠して生まれた神、丹塗矢は火雷命(ほのいかずちのみこと)。落雷除け、電気産業に御利益ありと言われている。 |
賀茂別雷神社 (通称)上賀茂神社 京都市左京区 |
稲荷社 | 宇賀魂命(うがのみたまのみこと) 須佐男命(すさのおのみこと)と櫛稲田姫(くしいなだひめ)を両神として生まれた。穀物の神、商売繁盛の神。 |
伏見稲荷大社 京都市伏見区 |
伊豆社 | 彦火火出見命(ひこほほでみのみこと) 穂穂手見命、山幸彦とも言われている。海神の娘、豊玉姫と結婚し、ウガヤフキアエズノミコトが生まれる。温泉の守り神。 |
伊豆山神社 静岡県熱海市 |
八幡社 | 誉田別命(ほんだわけのみこと) 仲哀天皇と神功皇后の児。応神天皇として知られている。いくさの神。 |
石清水八幡宮 京都府八幡市 |
この、仁科神明宮も、言わば、伊勢神宮の分社みたいなものだと思うのですが、その中に、さらに、あちらこちらの20もの境内社が祀られています。しかも、これって完全に分社だと思うんですよね、あまりに沢山の分社があるので、社務所のようなところで、なぜ、こんなにも分社があるのか、聞いてみたんですが、宮司に聞かなければ分からないって事でした。ちなみに、これらの境内社を分社って呼び方をしてもいいのかは、分かりませんけど・・・。(^^;
ここで、分社について調べてみると、神道では、分霊(ぶんれい、わけみたま)と言って、本社の祭神を他所で祀る際、その神の神霊は無限に分けることができ、分霊しても元の神霊に影響はなく、分霊も本社の神霊と同じ働きをするとされているそうです。その為、総本宮も分社も神格的には変わらないんだそうです。増やし放題って感じで、面白いですよね。
そして、分霊を他の神社に移すことを勧請(かんじょう)と言い、他の神社より祭神を勧請した神社を分祠(ぶんし)、分社(ぶんしゃ)、今宮(いまみや)などと言うんだそうです。
例えば、長野県大町市にある仁科神明宮の熊野社にお参りすれば、瞬間的に、和歌山県の熊野那智大社の神様まで、直通で願い事が通じるってわけです。ネットに例えると、分社って、なんか、リンクをペタペタと貼る感覚に似ているような気がします。
仁科神明宮を一つのサイトに例えるなら、20もの分社は、さしずめリンク集ページって感じで、とっても面白く感じました。(^^)