1度きりの人生を幸せに生きる
幸せを感じるライフスタイルの羅針盤!
 
森の中のちいさなお家


私がパソコンを初めて触ったのは、30歳のときでした。
それまでは、「パソコンはオタクがやるもの」という偏見もあり、大嫌いで触った事もありませんでした。当時はWindows98が出てきた頃で、世の中にかなりパソコンが浸透し始めていましたが、嫌いな私はさっさと出世して、そんなものは部下にやらせるものだ、くらいにさえ考えていました。触るきっかけは上司に出す報告書が今までは手書きで通っていたものが、ワープロでなければ通らなくなったことでした。会社の女の子にワードで「字を大きくするにはどうしたらいいの?」、「改行するには?」なんて事を聞いて「いつの時代の人ですか?」と、いやみを言われながらも黄金の一本指打法で頑張った事を覚えています(笑)

通常であれば、これで悔しくて一念発起して勉強するのかもしれませんが、私の場合は、それでも特に勉強してみようという気にはなりませんでした。そんな私がパソコンに興味を持ったのが、ワードの画像の挿入とワードアートでした。それまでワードと言えば、報告書を書くために文字を打つだけの代物だと思っていたので、初めてワードアートを見たときは衝撃的でした。「こんなものが、個人でも簡単に作れる時代なんだ。スッゲーーー」、この感動は今でも忘れません。
ここから私はパソコンにはまりました。ワードに感動して、さわり倒した後は、エクセルです。「なんて、賢いんだ!」と驚愕し、VBAにまで手を出してしまいました。パワーポイントでは動きをつけたり、音がでるのに感動し、アクセスでは、こんな専用のソフトみたいなものが個人で作れると感動して、自分なりに色々と作っては自己満足し、気付けば、パソコン嫌いだった私が Microsoft Office に関しては、一通り、素人レベルでは詳しいと言われる人になっていました。

こうなると、なんか楽しくなってきて、インターネットでホームページをみれば、作ってみたくなり、そうするとHTML以外にもFLASHを入れてみたくて、FLASHを覚えたり、素材をつくるのに、PhotoshopやIllustrator、Fireworks、はては高機能で有名なフリーのGIMPにまで手を出しました。
この頃には手をつけられる環境にあるものは何でも手をつけないと気がすまなくなっており、CGIプログラミングやネットワーク関係もかじりましたし、パソコン関係のトラブルに関しても、大概の切り分けは出来るようになっていました。

この間、2年ほどでしたから、当時は2年前、初めてパソコンを触ったと言っても、なかなか信じてもらえなくなっていました。
私の場合、ただ単に最初にワードアートに感動して、単純に楽しかったので、人に聞いたり、インターネットで調べたり、時には本を買ったりして、遊びでパソコンを覚えました。
よくあるように、スキルアップしたいとか、これから必要だからという感覚はほとんどありませんでした。色々と試行錯誤しながら、自分の思うようなものが作れたときや、それを人に見てもらって「すごいねー」と褒めてもらうのが、楽しかったり、嬉しかっただけです。

田舎に引きこもってからは、お店や小さな会社のホームページや簡単なデータベースを作ったり、パソコンの講習やトラブル処理をして、のんびり細々と食べています。
30歳の頃、パソコン嫌いで、ワードでまともに文字入力もできなかった自分が、今、パソコンでご飯を食べているのはとても不思議な気がします。
これも、ワードアートをきっかけに、パソコンを楽しく遊びで学べたからだと思います。

ちなみにパソコンとは全く関係ありませんが、私の知っている方で、長野オリンピックが決まったとき、とても感動し、オリンピックのボランティアがしたくて事務局に問い合わせたところ、ロシア語の通訳のボランティアが足りていないという話を聞いて、今までかじった事もないロシア語を勉強して、オリンピックの際、通訳をした、おじさんがいます。今でも臨時でロシア語の通訳の仕事をしているという事です。この話を聞いたときは「すげーー」と思いましたが、この方も、きっと楽しく、学んでしまったんだと思います。

遊びで楽しく学んだ事は、時として、それが仕事になったり、それに助けられることがあると思います。
遊学、恐るべしです。

 

Check