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野生の天蚕の幼虫に遭遇

まず、ご存知ない方の為に、天蚕(てんさん)を説明させて頂くと、天蚕は日本固有のヤママユガの一種で、クヌギの葉を食べて、このような黄緑色の繭を作り、生糸も渋めの緑がかった独特の色をしています。天蚕糸は繊維のダイヤモンドと言われ、カイコのシルクの上をいく最高級シルクです。

About Tensan
The Tensan silkworm is a non mulberry big silkworm, which inhabits only Japan and is known as A.yamamai all over the world. They feed on Quercus leaves and produce yellowish green cocoons.
Tensan silk is more stretchable than mulberry one. and it is called “the Queen of fibers”, It is used as a fiber mixture for the best textile fabrics.
And most of production of Tensan is performed at Ariake, Hotaka, Azumino, Nagano.

天蚕の繭

 

天蚕糸

 

とても高価なシルクなので、現在では、高級着物の模様部分にだけ天蚕糸を使ったりする程度のようです。天蚕糸だけで着物を一着作ったら、田舎だと、家が建つくらいの金額になるのかもしれません・・・。現在全国でも、実質、生産地と呼べるのは、長野県安曇野市穂高の有明地区のみではないかと思います。

 

我が家は、その生産地のすぐ近くのせいもあってか、周囲の林では、飼育されていない野生の天蚕の繭や、蛾をよく見かけます。しかし、幼虫は、クヌギの木の中に、本当によく溶け込んでいて、なかなか見つかりません。これだけよく繭を見かけるんだから、いるはずなんだけどと、時折、クヌギの木を見上げても、今まで、見た事がありませんでした。それが今日、偶然にもバッタリと遭遇しました。野生の天蚕の幼虫とは初対面です。(^^)

同じ緑の大きな芋虫でも、スズメガやクスサンなどの幼虫に比べると、天蚕の幼虫は、透けるような緑で美しく、個人的には、ちょっと、お品がいいと勝手に思っています。(^^;

飼育されている天蚕の幼虫は、いくらでも見た事があるんですが、野生のやつは、ほんと、初めてで、ちょっと感動しました。(^^)

 

今日、出会った野生の天蚕の幼虫。

 

ちなみに、カイコを家蚕と言うのに対して、天蚕のようなシルクがとれるヤママユガの仲間を野蚕と言います。野蚕には、他に、サク蚕、ヒマ蚕、シンジュ蚕などがあり、中国や東南アジアの一部で飼育されてたりしますが、基本的には、シルクとしては、カイコのシルクより質が低いと思います。それに対して、天蚕は、最高級のシルクで、しかも、日本固有種ってのが素晴らしいです。日本固有の天蚕飼育が絶えないように僕は願っています。(^^;

矢村やすけ: 矢村やすけと申します。 僕が住む、安曇野には八面大王伝説という伝説があります。その伝説の中で、妖力の強い八面大王をうつ為の矢に使う三十三節ある山鳥の尾羽を、矢村に住んでいた弥助が坂上田村麿呂に献上します。現在、僕が住んでいる場所が、その矢村地区に近いので、矢村やすけとしました。 安曇野の地名は、この八面大王伝説由来のものが多いです。そんな伝説に彩られた安曇野の風景を主にスマホ写真で投稿していきます。(^^)
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