1度きりの人生を幸せに生きる
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森の中のちいさなお家
 


だいぶ昔、たしか1994年だったと思いますが、自分の職業をパイロットと呼ぶ人に出会い、当時、衝撃を受けた記憶があります。 パイロットと言っても、皆さんがよくご存知の飛行機のパイロットではありません。中学時代に実験農場のことを「パイロットファーム」と習った記憶がありますが、まさしく、この実験という意味でのパイロットです。

例えば日本の総合商社は世界中どこにでも商売で進出していきます。またテレビのカメラは未開地にも入っていきます。こういった時、仮に危険な地域であれば、いきなり商社マンやテレビ局の人間が行くと、最悪、何もできないまま殺されてしまうこともありえます。そこで登場するのが、このパイロットと呼ばれる人たちです。
つまり、事前に現地に入り、商社マンなり、テレビ局の人間が入っていけるかどうかを調査したり、現地入りできるようにお膳立てをする人たちなのです。私が出会ったのは某大手総合商社専属のパイロットの方でしたが、あらゆる業界にこういった人たちは存在するようです。

完全な裏の世界のプロフェッショナルであり、決して表には出てこない人たちです。
私が出会ったパイロットの方の話では、現地入りする際は観光ビザで現地入りし、もし殺されても商社とは一切関係なく、一日本人観光客が運悪く、殺されたり、事故にあったという形で処理されるそうです。実際、毎年、何人か仲間が亡くなるとの事でした. 命がけの仕事なので、一回の報酬は2000万円くらいで、いわゆる商社の会計上、使途不明金と言われる中から報酬が支払われているというお話でした。

いったん現地に入れば、常に死の危険があるようで、ピストルを突きつけられるのは当たり前で、今では感覚が麻痺してしまい、ピストルを突きつけられたくらいでは、たいして驚きもしなくなったと言っていました。いろいろな話を聞きましたが、特に印象に残っているのは未開地の村などに入るときは、草履も履かず、パンツだけで、万歳状態で入るという話でした。未開地では草履ひとつ、シャツひとつが欲しくて時には殺されてしまうことがあるのだそうです。ただ不思議な事に万国共通でパンツをはがす為に殺されることはないので、パンツだけは履いて行けると笑って話していました。

いくら報酬がよくとも、こんな命がいくつあっても足りないような仕事はしたくないと私は思ってしまいますが、この方の場合、この仕事をする理由はただ一つスリルなんだそうです。
スリルの為に、家族も何もかも捨ててしまった人間だと言っていました。命がけで仕事をして、無事、日本に帰ってきて税関を抜けて日本の土を踏んだ時に、現地で危なかった光景を走馬灯のように思い出し、「よく、生きて帰ってこれた。」と思う瞬間が、とてもつもない快感なんだそうです。「はっきり言ってSEXより気持ちいいよ。」と言われていたのを覚えています。日本に帰ってきて命の心配もなく、晩酌をする時、とても幸せを感じるそうですが、半年も経たないうちに、またスリルを味わいたくて、ウズウズしてくるのだそうです。
初めて、この仕事で現地に入った人の殆どが、二度と行かないそうです。中には恐怖感で精神的におかしくなってしまう人もいるそうです。「わしらみたいに、何回でも行く奴は病気だよ。」と言っていました。こんな事をしていたら、いつかは命を落とすので、足を洗わなければとは思うそうですが、スリルの快感に負けて、また、行ってしまうのだと言われていました。

私にとっては、こんなマンガか映画のような世界に本当に生きている人がいるのだと、かなり衝撃的でしたが、この話をヤクザ屋さんにしたところ、「おまえ、そんなん知らんの?昔はようけおったが、最近は少なくなったのー。」と、当たり前の職業のように言われたのでビックリしました。私にとって衝撃的だったパイロットという稼業は、裏家業の方の世界では、常識的な当たり前の仕事だったようです。ちなみにヤクザ屋さんの世界には海外に進出する場合、やはり暴力関係専門のパイロットがいるのだそうです。

皆さんは、日本で、こんな常識の世界で生きている人たちが居る事をご存知でしたか?
世の中は広いなー

 

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