ヌルデの虫こぶ お歯黒の原料をゲット!?

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落ちていたヌルデの虫こぶ1

 

パッと見、まるで木の実のようにも見えますが、これはヌルデの虫こぶです。
ヌルデシロアブラムシという虫がヌルデの葉に寄生すると、ヌルデはそれに対する防衛反応で、こんな不規則な形をした、こぶを作ります。中は空洞になっていて、ヌルデシロアブラムシが入っています。このヌルデの虫こぶは五倍子(ごばいし)と言われ、タンニンを多く含み、タンニン酸、没食子酸の製造原料や、皮なめし、染料、インク原料に利用されやす。今はほとんどが中国から輸入されているようです。

 

今日、散歩をしていると、先日の強風のためか、この虫こぶが、たくさんヌルデの木の下に落ちていやした。そして、まだ、ほとんどのヌルデの葉が青い中、部分的に紅葉しているヌルデの葉をよく見ると、大抵、虫こぶが着いてる事に気づきました。ヌルデシロアブラムシに寄生されて、葉が弱って、早くに紅葉しちゃってるんでしょうね・・・。

 

虫こぶのついたヌルデの葉は早めに紅葉。

 

このヌルデの虫こぶは古くはお歯黒の原料として使われていた事でも有名です。
お歯黒の成分は、鉄奨水(かねみず)と五倍子紛(ふしこ)からなっています。

鉄奨水は、沸騰させたお茶に焼いた古釘と飴、麹(こうじ)、砂糖などを入れて冷暗所で2~3ヶ月ほど保存したもので、主成分は酢酸第一鉄です。これは各家庭で混ぜるものなどが微妙に違い、それぞれの家に伝わる秘伝の作り方みたいなのがあったようです。ちなみに、臭いはかなりの悪臭らしいです。

 

五倍子紛は、ヌルデシロアブラムシが虫こぶから出て行った後のものを、乾燥させ、砕いて粉にしたもので、主成分はタンニン酸です。

 

こうして作られたお歯黒は、歯のエナメル質に浸透し、虫歯を予防していたわけですが、その歴史は古く、古墳時代にまで遡ります。聖徳太子もお歯黒の習慣があったらしいです。戦国時代には成人の儀式として定着し、江戸時代に入ると、女性のお歯黒が既婚女性を表すようになって男性のお歯黒は減少し、明治に入ると、お歯黒禁止令が出されて、以後、ほとんど見られなくなったようです。

 

この虫こぶがお歯黒の原料だったことを子供に話すと、「お歯黒を作ろう!」と言って、熱心に、虫こぶを集めていやした。鉄奨水を作るのがめんどくさいので、無理だと子供には話しましたが、よく考えたら、鉄奨水なんか作らなくても、酢酸第一鉄を買ってきちゃえばOKですね!ただ、作ってどうするんだって話ではあるんですけど・・・。(笑)

古くはヌルデの虫こぶから、お歯黒以外にも白髪染めも作っていたようですから、お歯黒よりも、僕の白髪染めを作った方が、実用的かな・・・。(笑)

ヌルデの虫こぶを集める子供

 

この虫こぶを切ってみると・・・

虫こぶの中 ヌルデシロアブラムシ

 

中にはビッシリとヌルデシロアブラムシが。
よく見ると、羽のあるのがいますよね!こいつらは、これから、虫こぶから出て、飛んで行き、オオバチョウチンゴケというコケで幼虫を産んで越冬し、春になるとまたヌルデの木に戻ってきます。

 

中には五倍子(ヌルデの虫こぶ)目的で、ヌルデを植える方もいらっしゃるみたいですが、ヌルデシロアブラムシの生態を考えると、近くにオオバチョウチンゴケが無いと、ヌルデシロアブラムシが生きていけないので、虫こぶも出来ない事になります。だから五倍子目的の場合は、ヌルデとオオバチョウチンゴケの両方を植える必要があるって事ですかね・・・。(^^;

 

ちなみに6月に撮ったものですが、こちらがオオバチョウチンゴケです。

オオバチョウチンゴケ

 

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YASUKE YAMURA

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